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Fiore Spazio 花便り

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第4回 妖精たちのティーパーティ 「植物を描く」

もう、先月のこととなってしまいますが、第4回目となる 妖精たちのティーパーティ「植物を描く」を開催させていただきました
冷たい雨の中、ご参加いただいた皆様にはありがとうございました

フラワーフェアリーズとその花が咲く時季に写真を撮り始めたことがきっかけで今年の春より、それにちなんだティーパーティをしています
今回は浜田山にありますティールーム、ベリーズティさんにお世話になりました
ベリーズティーさんはかわいらしい店内でオーナーの和田さんが選ぶこだわりの紅茶とスコーンやクランペットなどのイギリスのお菓子がいただけるお店です


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今回の「植物を描く」は、このティーパーティを始めるにあたって、
今後こんなテーマでやりたいと、第1回目を開催する前からいくつか頭に浮かんでいたテーマの中のひとつでした

それは、私が植物と一緒にフラワーフェアリーズの写真を撮るようになってから
シシリーの描く植物の正確さ、みごとな観察眼に驚かされたことがきっかけです

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フラワーフェアリーズといえば、多くの方は妖精の可愛さの方に目が向くのでしょうが
私は実際の植物と一緒に撮っていると、彼女の描く植物のすばらしさに魅了されます
上のサクランボの枝など、どこまでが絵でどこまでが本物か、わからないほどです
私のフラワーフェアリーズの写真は、合成か加工を施しているのでは、と思われる方もいらっしゃるようですが
私にそのような技術はないのでただただその場所に赴いて一緒に撮っているだけなのです
すべてシシリーの絵のすばらしさによるものなのです

植物を真摯に観察して描くといえば、ボタニカルアート
ボタニカルアートと言えば、私の大切なお友達でもある植物画家の芝田美智子さんにお話しいただきたいと当初からお願いしていて、幸せなことに今回、このような素晴らしい時間が実現することになりました




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植物画家芝田美智子さんは、ウェディングブーケや装花、レッスンなどフラワーデザイナーとして幅広くご活躍の後、ご主人の海外赴任に伴ってイギリスに生活されることになりました
その時せっかく英語を学ぶなら好きなことをしながら学ぼうと出会ったのがボタニカルアートだったそうです
チェルシーフィジックガーデン、英国王立キューガーデンにて植物画を学ばれ、2008年英国王立園芸協会主催のコンテストにてゴールドメダルを受賞されました

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今回のお話では最初イギリスでボタニカルアートを習いにいかれたとき、日本でお花の仕事をされていたとお話すると、先生がそれは困ったわねとおっしゃられたと言うお話が印象に残ります、お花に対して思い込みがあるからと言うのです
美智子さんはもともとお花が好きだったと言う事はもちろんあると思うのですが、植物画家になるにあたって、きっともう一度、一から植物と向き合われたのだなぁということが感じられます


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今回のお話ではボタニカルアートの4つのきまりなど基本的なことから教えていただき、表現方法の数々へと詳しくご説明いただき、実際にボタニカルアートを描いている方やこれから描きたい方にとってはもちろん、私のように描けないけれどただ鑑賞するだけの人にとっても、これからのボタニカルアートの楽しみ方が何倍にもなる素晴らしいお話でした

最初はお話を中心に、途中からアフタヌーンティーをいただきながらなごやかな中でお話が進みます

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ベリーズティさんが今回の会にちなんで出してくださったフェアリーケーキ
イギリスには小さなカップケーキに羽が生えているフェアリーケーキと呼ぶケーキがあることも今回初めて知りました

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美智子先生には普段使っているお道具なども見せていただきました

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ほとんどをこの繊細な筆のみで描かれているようですがそのような描き方をする方とはまだ日本ではお会いしたことがないとの事でした



絵もたくさんお持ちくださったのになかなか撮れなかったのですが、こちらは、週末過ごされる山中湖のお宅の近くで採れたきのこ
きのこは寿命が短く次の日には溶けてしまうそうなので、一気にさらさらと描いたものとおっしゃるのですがそれでも細部にわたり描きこまれているようにみえます

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キノコ好きの私としてはとても愛おしい一枚

また、今回お話を伺ってすごく感じたのは、植物を描くということに惜しみない時間と愛情かけていらっしゃるのは言うまでもないことなのですが、それと同じくらいの愛情と時間を植物を観察することにかけているということです
植物画の中には1枚の絵の中に植物の成長過程や季節感を表現する方法もあるようで、どのような種から芽吹き花を咲かせ実をつけ朽ち果てていくかまでをしっかり見届けていらっしゃるのです
その過程で花や実を描き足していくので完成に一年、二年...とかかることもあるようです

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こちらは一昨年、英国王立キューガーデンにて開催され、昨年は上野の国立科学博物館で開催された「フローラルジャポニカ展」にて出品された作品マムシグサですが、この植物のじつに不思議な成長過程における仕組みなどもお話くださり、画家であると同時に植物学者の一部も担っていらっしゃるようにさえみえました

このほかにもボタニカルアートの歴史などにも触れ、私は数年前に見たバンクス展を思い出しながら、大航海時代にプラントハンターたちと命がけで海を渡り植物とお話ししていた人たちに思いを馳せました


また、今回の妖精たちのティーパーティーに寄せて、シシリー・メアリー・バーカーの描く植物画についてもお話がありました

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ガイラルディアの花の色みや形状の特徴をよく捉えて描かれていること、またポピーでは花や蕾ばかりか、とてもとても細かい種が実からこぼれるところまでを描き、この一枚でポピーの特徴を表現しているところなど、ボタニカルアートの点から見ても、植物をきちんと観察して描かれているということでした
あまり注目されていないけれどこの人の描く植物に温かい眼差しを感じ素晴らしいと思ってきたので、美智子さんご自身でフラワーフェアリーズの本を借りて調べてくださりその本をお持ちくださって、このようなお話をお聞かせくださったことは私にとって今回のとても嬉しい出来事でもありました

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たくさんの素晴らしいお話をご用意下さった芝田美智子さん、そしてこの和やかな中にも充実した時間をご一緒くださった皆様に感謝いたします

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この会の一週間後、美智子さんの山中湖のお宅が表紙になったガーデンダイアリーという雑誌が発売されました
中には14ページにもわたり、お庭に咲く花や、美智子さんがご主人とお二人で作ってきたお庭の全貌が載っています
美智子さんが描く植物が生まれてくるお庭
ご自身で愛情こめて育てたお花を絵として残してあげる
ティーパーティーの時に美智子さんがお話になられた、フラワーコーディネーターの時はお仕事にやりがいを感じていたけれど、短い植物の命を扱う贅沢さを感じながらどこか花の美しさを留めておきたいと言う願望があったけれど、今は植物を描くことで叶ったと言うお話が思い出されます
私も大好きなお庭、たくさんの方がこの雑誌を手にとってご覧になられると良いですね

最後の一枚は、私がお庭にお邪魔した時の写真を載せさせていただきます

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by laurism | 2018-10-30 11:06 | イベント | Comments(0)
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